足利市名草地区プロジェクト

2020年度に入ってすぐに、足利市から中山間地域である名草地区の過疎化に関する相談を受けた。名草地区は、足利市の北部に位置し、山並みに囲まれたエリアで、人口2000人ほどが居住している。この地区は豊かな自然や都心からのアクセスのよさから、里山の環境保全、自然体験に関して地域住民による様々な活動や、移住者がアンティークショップやカフェを開くなどが実施されて、変化の兆しもみえているが、高齢化や過疎化が課題となっている。
聞取りから、足利市では2005年頃より名草地区をフィールドとする地域おこしの計画が進んでいたが、過疎化の進行や生活スタイルの変化など、より地域全体の課題を複合的に見直す必要性が高まっていることが明らかになったため、地域デザインセンターでは、課題解決へのとりかかりとして、食生活学、建築環境工学、農業経営学の各分野の専門家につなぐ、学部を超えたコーディネーションを実施した。
2020年度は、食生活学分野の専門家との共同研究を開始し、地域農作物のブランド化、加工品などへの高付加価値化について検討を進めている。そのひとつとして、今年度は名草地区で採れる生姜を使ったレシピの開発とレシピ本の作成を実施した。

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建築環境工学分野と農業経営学分野の専門家との共同研究は、次年度以降開始するが、それぞれ、新たな生活様式に対応したサテライトオフィスの展開、自然環境を活かしたソーシャルビジネスの検討について研究を実施する予定である。
分野ごとの共同研究の支援のほかにも、合同視察を実施するなど、地区全体の見直しを複合的な視点でサポートできる体制を整備した。