宇都宮大学地域デザインセンター「地域防災部門」設立記念シンポジウム

栃木県における地域共創による防災まちづくり

12月9日(金)にライトキューブ宇都宮(宇都宮駅東口交流拠点施設)にて、宇都宮大学地域デザインセンター「地域防災部門」設立記念シンポジウム「栃木県における地域共創による防災まちづくり」を開催しました。

シンポジウム
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シンポジウム
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[全体会]

●開会、挨拶
●宇都宮大学地域デザインセンター「地域防災部門」概要説明
●基調講演「地方大学での社会共創による防災」
●報告①「栃木県における防災・危機管理の取組」
●報告②「防災士の栃木県における活動」

全体会では、学長挨拶と地域デザイン科学部教員による「地域防災部門」概要説明の後、岐阜大学小山真紀准教授より「地方大学での社会共創による防災」と題してご講演を賜りました。岐阜大が地元自治体等と連携して取り組んでいる事業について、具体的な内容や成果をお聞きし、本学へのエールを頂戴しました。

また、栃木県県民生活部松川雅人危機管理監と同県土整備部小野和憲河川課長から「栃木県における防災・危機管理の取組」、NPO法人栃木県防災士会稲葉茂理事長から「防災士の栃木県における活動」と題し、それぞれご報告いただきました。

「地域防災部門」設立記念シンポジウム:オープニング



「地域防災部門」設立記念シンポジウム:基調講演

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「地域防災部門」設立記念シンポジウム:報告1



「地域防災部門」設立記念シンポジウム:報告2

[分科会]
分科会では、空間管理、水災害とボランティア、災害後の健康維持、そして人材育成の4つのテーマにわかれ、研究者や実践者による話題提供を踏まえつつ議論を深めました。異なる背景を持つ人たちが集まり、様々なテーマについて知見を交換し合う場の重要性を認識したシンポジウムとなりました。




●分科会01

「空間管理」:空き家・放置建築物を対象とした官民学協働による対策と実践

石井大一朗(地域デザイン科学部准教授)/藤本郷史(地域デザイン科学部准教授)/休場幸恵・福田龍司(宇都宮市生活安全課)/大門雅樹・小曽戸英樹(日光市建築住宅課)

宇都宮市生活安心課より、宇都宮の空き家対策の取組について報告があった。特に産官学金でつくった「宇都宮空き家会議」における空き家のコミュニティ活用について、学生や地域住民と取り組んだ事例について詳しく紹介された。また、日光市の空き家対策の取組について、日光市建築住宅課及び地域デザイン科学部藤本教員より取組概要の報告、特に鬼怒川エリアの放置建築物に対する大学との共同研究について詳しく紹介された。ディスカッションでは、民間事業者や自治会の方などから多くの意見があり、それぞれの立場でできることや大学との連携について議論が交わされた。




●分科会02

「水災害とボランティア」:多主体連携による災害復旧・復興の推進

池田裕一(地域デザイン科学部教授)/松井宏之(農学部教授)/髙山慶子(共同教育学部准教授)/柴田貴史(認定NPO法人とちぎボランティアネットワーク)

4人の話題提供者からは、近年の気候変動により豪雨災害が激甚化し、市街地に土砂・泥・流木が押し寄せ農地の被害も激化していること、復旧活動に際しボランティア活動がより重要となる一方で課題も多いこと、さらに水損した歴史資料の修復に携わる「とちぎ史料ネット」の設立と今後の期待が語られた。その後、49人の参加者が7グループに分かれて「災害復旧も視野に入れて普段から地域防災力を高めるには」について活発な意見交換が行われ、その成果を互いに発表して情報共有した。




●分科会03

「災害後の健康維持」:専門家との連携による防災ヘルスケアのあり方

大森玲子(地域デザイン科学部教授)/白石智子(地域デザイン科学部准教授)/沼田加代(足利大学看護学部教授)/古川展依(栃木市教育委員会保健給食課)

登壇した保健師や管理栄養士、臨床心理士の各々の専門的立場から、平常時及び非常時における専門職の役割と実際の活動について紹介がなされ、特に2019年の台風19号により甚大な被害を受けた栃木市の活動について、参加者から熱心に質問が寄せられた。家庭の備蓄食を振り返るグループワークを通して、「平常時からの備えが大切である」、「日頃から心掛けていきたい」との声があげられ、災害後の健康維持への機運醸成になったものと思われる。




●分科会04

「人材育成」:台湾での事例を交えて地域防災の担い手を考える

近藤伸也(地域デザイン科学部准教授)/飯塚明子(留学生・国際交流センター准教授)/邵俊豪(台湾中央警察大学防災研究所副教授)/稲葉茂(NPO法人栃木県防災士会・作新学院大学客員教授)

登壇者からの報告と会場からの意見を交えたパネルディスカッションを行った。日本・台湾・アメリカの防災士の事例に加え、大学生や外国人に対する防災活動の普及啓発の実践が報告された。また、地域の防災人材を育成するスキームのほか、大学生を防災人材として活用する方法について議論を深めた。



地域防災部門設立記念シンポジウム
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